この世には古人のおかげで古き良き物が数多く存在しています。
良い土味の板皿に、豪快に引き上げたロクロもの、軽快な筆さばきで絵付けされたお皿。 日本、中国、韓国に問わず世界中の良き物が今もなお現代に生き続けています。
しかし、残念ながらそれら良き物は高価で売買され、現代の一般家庭の食卓で使われる事はあまり多くはありません。悪い事ではありませんが、一部は美術館に納められ、一部はコレクターの棚に仕舞われてしまいます。
翠窯が考える器の現場とは食卓の上にこそあると考えています。
料理をおいしく美しく見せてあげる事が器の最大の仕事であり使命です。
また、器自身も料理を盛られる事により器本来の美しさが引き立ちます。
使われる事を繰り返す度に、器には油が付き、水を吸い、より一層美しく育っていきます。
乱雑に重ねられた食器棚は、美術館のショーケースより輝いて魅せられます。
私達が陶磁器を作る過程で学んだ「古き良き物」のエッセンスを器に込めて、 現代の食卓で活かされる器を提供しようと考えています。
名古屋市生まれ。
神戸学院大学卒業。
2009~2013年まで、名古屋のGallery Introartにて毎年個展を開催。
2012、2014年には松坂屋名古屋店美術画廊、代官山のGALLERY SPEAK FORにて個展を開催。
翠窯の代表作「 lotus/ロータス 」シリーズは 2000年も長く続く蓮の意匠を取り入れ、食卓をより演出する事を目的に作られています。
文香が絵を描き、それらをコンマ数ミリの高低差を付けながら丁寧に彫り上げた型を用いて、一点一点丁寧に仕上げています。
ロクロを得意とする穴山は照準を食卓に合わせ、自分の技量を活かすべき器を制作しています。良い土を良い窯で焚いたら美味しい焼物が出来る。でも、今ある資源でも十分に良いものが出来るはずと、身近にある素材を存分に用いて、それら素材を活かしたロクロを心がけ制作しています。
2013年、「瀬戸窯元 翠窯」を立ち上げてからは、工房では穴山含め数人で分業しながら制作をしています。
「古き良きものを現代の食卓に」をコンセプトに瀬戸焼の良さを現代の食卓に提案できる食器作りを目指しています。